■平成
■負債
■破産
破産宣告を受 けた。
【甲40,乙1】 ? 平成15年11月26日,甲子フードサービスは,民事再生手続開始を申立て た。
【甲66】 当時の甲子フードサービスの簿外債務は合計約80億円以上に上っていた。
【甲66,スター88,89参照】 ? 同年11月30日,甲子フードサービスは,大阪地方裁判所により民事再生 手続の開始決定がなされた。
【甲40】 ? 同年12月22日,癸酉社は,同裁判所により民事再生手続の開始決定がな された。
また,同月,乙亥社も民事再生を申立て,同月22日,乙亥社も民 事再生手続開始決定がなされた。
【甲74,76】 ? 同年12月29日,本件融資につき,壬申銀行は,癸酉社の普通預金と相殺 し,53万9528円を回収した。
【スター84】 ? 平成16年6月14日,甲子フードサービスは会社更生手続開始を申し立てら れ,同月30日,同裁判所により同手続開始の決定があった。
【甲40】 ? 同月8月4日,癸酉社は,破産宣告を受けた。
【甲74】 ? 同月10月31日,甲子フードサービスは,更生計画認可決定を受けて同社 は辛丑フード株式会社に商号変更した。
? 同年12月24日,会社更生手続による弁済金として,元金返済9049万9603 円が壬申銀行に支払われた。
この結果,壬申銀行の貸付残高は,9億3496万 220 869円であった。
【スター89】 ? 甲子フードサービスが民事再生を出した平成15年12月ころから,C,A が本件で逮捕される前月の平成17年4月ころまで,Cは,Aから頼まれ、毎 月100万円前後の生活費やAの子の学費等を支援していた。
【C25回11以下, スター112】 ? なお,平成18年8月30日,前記(戊辰リサイクル事件について)第2の32 記載のとおり,Cは,辛丑フード(旧甲子フードサービス),壬寅社(旧乙丑 ソース)及び癸酉社の管財人らとの間で,壬申銀行事件についても和解を成 立させた。
【弁362以下】 221 第3 公訴事実中明らかに求められる事実と本件の中心争点 前記認定事実によれば,本件公訴事実中, ・Aは,甲子フードサービス,癸酉社の各代表取締役であったこと,Cは, 甲戌社の実質的オーナーであり,同社の資金面を実質的に管理し,業務面に ついてもある程度の報告を受けていたこと ・Aが,平成15年4月23日ころ,壬申銀行本店において,同銀行法人開発部 長M及び同部マネージャーNに対し,「甲子フードサービスでは,全営業所を 対象にして,食材等の仕入,在庫管理,社員の出退勤管理,売上状況管理な どのためのコンピュータ管理システムを導入することとした。
」と述べたこと ・Aが,同年6月20日ころ,同所において,同銀行信用リスクマネジメント 本部ゼネラルマネージャーO,上記M及び同銀行法人開発部員Pに対し,「癸 酉社が甲戌社からコンピュータ管理システムを購入し,これを甲子フードサ ービスにリースする契約をしたいと考えている。
この計画を実現するために は,癸酉社が甲戌社から購入するコンピュータ管理システムの購入代金とし て約11億円が必要なので,この購入代金を癸酉社に融資していただきたい。
」 などと述べたこと ・甲戌社従業員Qらは,甲戌社作成名義の見積金額合計6億2716万5000円及 び同4億8814万5000円の見積書2通(並びに請求金額を前記各同額とする請 求書2通)等を作成し,Aは,同年7月16日ころ,Pに宛てて,甲子フード サービス事務所から壬申銀行本店にファクシミリで送信するなどして,壬申 銀行に対し癸酉社に同銀行から11億円を融資するよう申し込んだこと ・Pは,癸酉社に11億円の証書貸付を行う旨の融資稟議書を作成し,その 決裁を求められたOらは,融資の決定をし,同年7月18日,Oの指示を受け た同銀行係員が,11億円から初回利息相当額及び印紙代を差し引いた10億9 818万2576円を同銀行における癸酉社名義の普通預金口座に入金したこと が認められる。
222 そこで,これ以外の事実,すなわち, ? 被告人両名は,壬申銀行から融資金名下に金銭を詐取することを企て,共 謀したか, ? 癸酉社が甲戌社から代金約11億円でコンピュータシステムを購入する計 画は存在しなかったか,本件で借り入れた資金を返済する意思も能力もなか ったか,A,Cは,これらがあるように装ったか, ? 4月23日に,Aは,M,Nに「癸酉社が甲戌社からコンピュータ管理シス テムを購入し,これを甲子フードサービスにリースする契約をしたいと考え ている。
この計画を実現するためには,癸酉社が甲戌社から購入するコンピ ュータ管理システムの購入代金として約11億円が必要なので,この購入代 金を癸酉社に融資していただきたい。
」と述べたか,この内容は虚偽であった か, ? 6月20日ころ,O,M及びPに対し,Aが述べた事実は虚偽の内容であっ たか, ? Cは,Qらに甲戌社作成名義のいずれも内容虚偽の見積金額合計6億2716 万5000円及び同4億8814万5000円の見積書2通並びに請求金額を前記各同額 とする請求書2通を指示して作成させたか が問題となる。
そこで,まず,4月23日及び6月20日の行為,7月16日に送信した見積書等に 客観的に虚偽があったか否かという実行行為の存否について検討し,次に,A 及びCに詐欺の故意・共謀があるかについて検討する。
223 第4 客観的行為と虚偽性について 1 平成15年4月23日の行為について (1) 関係者の供述 アM及びNの供述要旨 4月23日の状況について,Mは,捜査段階及び公判において,Nは捜査 段階において,要旨以下のとおり供述する。
「Aは,M及びNに対し,「甲子フードサービスでは,全営業所を対象にし て,食料等の仕入れ,在庫管理,社員の出退勤管理,売上状況管理などの ためコンピュータ管理システムを導入することにした。
そのシステムの購 入代金が約11億円かかるので,癸酉社に融資していただきたい。
」などと 言って癸酉社への約11億円の融資を申し込んだ。
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M及びNは,甲子フードサービスに対する融資を念頭に置いていたこと から,NがAに対し「甲子フードサービスへの融資ではないのですか。
」と 尋ねたところ,Aは,「癸酉社が甲戌社からコンピュータシステムを購入し, これを甲子フードサービスにリースする契約にしたい。
これにより,癸酉 社に売上が計上でき,癸酉社も育てていきたい。
」などと言い,更に,「甲 子フードサービスとしては年間約6億円の経費節減が見込まれ,癸酉社へ のリース料の支払は年間約2億4000万円と見込んでいるので,甲子フード サービスにとって投資効率が高い事業である。
」旨を説明した上,「この計 画を実現するためには,癸酉社が甲戌社から購入するコンピュータシステ ムの購入代金として約11億円が必要であり,この購入代金を癸酉社に融 資していただきたい。
」などと言って融資を申し込んだ。
M及びNは,甲子フードサービス及び癸酉社の決算書,事業計画書,購 入予定のコンピュータ管理システムの内容や金額が分かる見積書等の提出 を求め,後日,提出を受けることになった。
」 イAの公判供述要旨 224 Aは,捜査段階では,前記M及びNの供述にほぼ符合する供述をしてい たが,公判では,大要次のとおり供述する。
「会社の概要などを案件リスト(『癸酉社/甲子フードサービス資金計画』 と題する表。
弁132)を渡して説明したが,具体的な融資の話はしていな い。
コンピュータシステムの内容やなぜ必要かを話したが,11億円という 数字は出ていないし,こちらからも数字は言っておらず,Mらも数字は聞 いてこなかった。
融資を求めるのかのどうかの確認もされていない。
」 ウCの公判供述要旨 Cは,公判で,要旨次のとおり供述する。
「Aは融資の具体的申し込みはしていない。
案件リストに基づいて説明は していたが,コンピュータシステムやその金額を説明していたかどうかは, よく覚えていない。
」 そこで,この点について検討する。
(2) 「案件リスト」が当日交付されたかについて 被告人らは,公判で,4月23日の説明の際,「癸酉社/甲子フードサービ ス資金計画」と題する書面(弁132。
以下「案件リスト」という。
)を持参 してAが説明したと供述するので,この点について検討する。
? 4月23日,甲子フードサービスの経費削減に関する簡単な1枚もののペ ーパーをAが示して説明したことは,Mも供述しており,その限度では動 かし難い事実といえること ? 「案件リスト」自体は壬申銀行から発見されていないが,上記Mも述べ るペーパーも同様に発見されていないこと(Mは顧客から受け取ったもの は全てファイルすると供述している。
もっとも,取り寄せ記録中には,経 費削減に関する1枚もののペーパーが存するが,これは,第2回訪問後の6 月25日に癸酉社から壬申銀行にファックスされたもので,4月23日に持参 225 したものであるとはみられない(弁352[6355丁裏])。
)。
? Cは,捜査段階から一貫して4月23日に「案件リスト」があった旨供述 していること ? Dは,癸酉社の資金用途の一覧を作成するように依頼され,これを作成 し,iに渡したが,その際,「案件リスト」記載の「?庚戌」は,Dのみが 知っている会社で,Cも知らないものであると供述していること(なお, Dは,「案件リスト」よりも簡単なものであったとも供述する一方,新たに 詳しいものを作り直したかもしれないとも供述する。
) にかんがみれば,4月23日,「案件リスト」を示してAが説明したとの被告 人両名の公判供述は排斥しがたい。
(3) 4月23日に癸酉社への11億円の融資の申し込みがあったかについて ア検察官は,4月23日に,Aが,甲子フードサービスにコンピュータシス テムを導入することによる経費削減効果を説明した上,その導入資金とし て11億円の融資を申し込んだと主張するのに対し,弁護人らは,11億円 の融資を申し込んだことはないと主張するので,以下検討する。
イ融資の申込みがあったことを肯定する要素 ? Aも甲子フードサービスが発注・売上・勤怠管理システムを導入する ことで,甲子フードサービスに経費削減効果があることを壬申銀行側に 話した上,「案件リスト」を示したと供述するところ,「案件リスト」,す なわち,「癸酉社/甲子フードサービス資金計画」と題する一覧表には, 甲子フードサービスの案件としては,概算6億円の社内システム(約16 00拠点)と5億円の店舗システム(システム端末機約1600台)の計11億 円のコンピュータシステムが記載されており(経費削減効果及び癸酉社 のリース売上も記載されている。
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